「特区民泊」の正式名称は「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」といいます。これは、日本経済の活性化を目的とした「国家戦略特区」制度の一つとして、特定の自治体において旅館業法の規定を緩和し、民泊営業を認める仕組みです。現在、東京都大田区、大阪府、大阪市、福岡県北九州市、千葉県千葉市などの一部エリアで実施されています。
特区民泊の最大の特徴であり、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊と大きく異なる点は、「年間180日以内」という営業日数の制限がないことです。新法による民泊は1年の半分しか営業できず、収益性の確保が課題となることが多いですが、特区民泊であれば365日フル稼働が可能です。そのため、よりビジネスとして本格的に民泊を運営したい個人や法人に適した制度といえます。
ただし、特区民泊を利用するには一定の条件があります。 まず、滞在期間に制限があります。自治体によって異なりますが、基本的には「2泊3日以上(特区法上は3~10日の範囲内で自治体が定める)」の宿泊が条件となります。そのため、1泊のみのゲストを受け入れることはできません。 次に、施設要件や衛生管理の基準も、新法民泊より厳しめに設定されていることが一般的です。例えば、床面積の最低基準(原則25㎡以上)や、外国語での案内表示、緊急時の対応体制などが細かくチェックされます。
特区民泊を始めるには、所在地の知事や市長から「特定認定」を受ける必要があります。営業日数に制限がない分、周辺住民への事前説明やゴミ処理、騒音対策などの適正な運営管理については、通常の旅館業に近いレベルの責任が求められる制度であるといえます。
