「宿泊者名簿」とは、住宅宿泊事業者が宿泊者の氏名や住所などを正確に記録し、備え付けておくための名簿です。民泊を運営する上で、この名簿の作成と保存は法律(住宅宿泊事業法および旅館業法)によって厳格に義務付けられています。名簿の保存期間は、最終の記載日から3年間と定められています。
名簿作成の目的は、大きく分けて2つあります。 一つは「公衆衛生の確保」です。宿泊施設で感染症が発生した場合、名簿があれば感染経路の特定や接触者への連絡を迅速に行うことができ、被害の拡大を防ぐことができます。 もう一つは「治安の維持」です。テロ対策や犯罪捜査において、誰がいつどこに宿泊していたかを把握することは、捜査機関にとって極めて重要な情報となります。
名簿に記載すべき必須項目は以下の通りです。
- 宿泊者の氏名
- 住所
- 職業
- 宿泊日(チェックイン・アウト日) また、日本国内に住所を持たない外国人の場合は、これらに加えて「国籍」および「旅券番号(パスポート番号)」の記載が必須となり、確認のためにパスポートの写し(コピーまたは写真データ)を保存しなければなりません。
本人確認の方法についても、現在は厳格な運用が求められています。家主が同居しない「家主不在型」の民泊であっても、対面またはICT(タブレット端末によるビデオ通話など)を活用して、宿泊者の顔とパスポートを直接確認する「本人確認」を確実に行わなければなりません。 近年では、チェックインを自動化できるシステムやアプリも普及していますが、単に情報を入力してもらうだけでなく、映像を通じてリアルタイムで本人であることを確認する仕組みが必要です。適切な名簿管理を怠った場合、業務改善命令や業務停止などの行政処分の対象となるため、非常に注意が必要な実務の一つです。
